3 糖尿病と糖代謝とシナモン

ウサギのファムが、飼い主の薬膳料理の活動や実験を日記にして紹介。

【糖尿病と糖代謝とシナモン 】

〇月△日 曇り

前の章でも説明したシナモンについてもう少し掘り下げよう。

なぜなら、シナモンはとても素晴らしい効能があって昔から親しまれているけれど、少し注意することがあるから。

スパイスの王様と呼ばれているシナモン。前章で『毛細血管の拡張・抗酸化作用・抗炎症作用・血糖値の上昇をゆるやかにする。腹痛や下痢や嘔吐などにも効果があると言われている。』などの薬効を紹介した。

シナモンは毛細血管修復をし、動脈硬化や糖尿病の合併症などを予防効果がある。また、血糖値に関しては消化酵素の働きを鈍らせるので、糖の吸収を緩やかにして血糖値が下がるメカニズム。シナモンの効果は摂取後の2~3時間なので、お昼や夕食に合わせるように摂取すると効果が期待できる。

但し、薬効があるとはいえバランス良く食事をして、偏らずに栄養を摂取していくこが肝心なところ。


例えば、この間の夕食だった一例

  • シナモンコーヒー or シナモンティー(どちらも一振り)
  • パプリカやルッコラのサラダにゆで卵の輪切り乗せレモンドレッシング
  • チキンカレーライス

シナモンで毛細血管を修復し、パプリカのビタミンP(ルチンやヘスペリジンなどのポリフェノール)と毛細血管を丈夫にし、β-カロテンは粘膜を保護してくれるしビタミンEは血中コレステロールの酸化を防いでくれる。また、ルッコラやレモンにはビタミンCが入ってるのでビタミンPと相乗効果に。ドレッシングの油はβ-カロテンの吸収率をアップさせる。ルッコラにはビタミンCとビタミンE、カリウム、鉄分にアリルイソチオシアネートという抗がん作用が入っている。

ゆで卵にはレシチンが神経伝達物質を生成しているので、記憶力を高めアルツハイマー病の予防効果やコレステロール値を下げる効果もある。

鶏肉にはコラーゲンやアミノ酸やビタミン類が豊富に含まれている。アミノ酸には疲労回復に効果のあるイミダエペプチドがあり、肝臓機能を高めるメチオニンも含んでいる。粘膜を守るビタミンAがあり、他にナイアシンというアルコールを代謝する効能もある。

カレーのルーに入っている香辛料に関しては、前章を参照してほしい。

こうやってみると、互いの素材同士が栄養や効果を補い合うような相乗効果を生んでいる。献立は買い物前に決める方が多いと思うので、ぜひ、食べ物同士の効果を考えて組んでみると、後々に健康の結果として現れるから楽しくなるかもしれない。


話はシナモンに戻って、実はシナモンは、大きく分けてセイロンシナモンとカシアがある。また、カシアや肉桂をシナモンと総称で呼ぶことが多く、原産国違いが多い。シナモンの成分でクマリンという成分があるが、これを多く摂取してしまうと肝機能障害を引き起こす恐れがある。

東京都健康安全研究センターの調査で、シナモン含有食品中のクマリン検出値を調べていて、この結果にかなり驚かせられた。

以下が産地や特色とクマリン含有量をまとめてみた。

名称産地・別名・特色
セイロンシナモンスリランカのセイロン。
(クスノキ科ニッケイ属セイロンシナモン)
『真のシナモン』と呼ばれている。
樹皮だけを乾燥させ薄い皮を何層にも重ねて丸めている。
生産量が少ないため高級。

含有するクマリンは極めて少ないので、安心して使える。
*クマリン 検出値13.7ppm
*1 日摂取量 0.0027mg
*1 日許容量 364.58g
カシア

カシアはセイロンニッケイの近い関係にある種類のもの。
(クスノキ科ニッケイ属シナニッケイ)
肉厚のため、軽く巻いてある。

*クマリン 検出値
 中国産 850ppm(パウダー)
*クマリン 検出値
 ベトナム産 平均5425.0ppm
*クマリン 検出値 
 インドネシア産 1900ppm(ステック)
*クマリン 検出値
 マレーシア産 1300ppm(パウダー)

カシア
*1 日摂取量 0.65mg
*1 日許容量 1.53g
ベトナム産 カシア
*1 日摂取量 1.09mg
*1 日許容量 0.92g
中国産 カシア
*1 日摂取量 0.12 mg
*1 日許容量 8.62g
*印について、東京都健康安全研究センターが詳細に調べている。
ご興味のある方は、是非国の機関が調査した報告を読んでみてください。
そこには、食品表示のされ方などいろいろな事が書かれています。

東京都健康安全研究センター H19年度 東京都健康安全研究センター

クマリンの 1 日摂取量及びシナモンの 1 日摂取許容量の平均値とシナモン含有食品中のクマリン検出値より抜粋

上記の表から、一般的にカシアに含まれたクマリンの摂取にはメーカーによって使用産地が異なるため、食品表示を確認しつつシナモンを楽しんでもらいたい。

生薬では桂皮として使われるシナモン。

良いからと言って大量摂取はNG。何事もほどほどが一番だと思う。

ちなみに、ご主人様愛用のシナモンは

‎GABAN(ギャバン) 300g 原産国マレーシアカシア

これをコヒーや紅茶に2振りほどして、百均ショップの攪拌ミキサーで混ぜて朝とお昼に飲むのが日課みたい。

もし、チャイのように多くシナモンパウダーを使うなら、セイロンシナモンをお勧めします。

*これだけは守ってください。

薬とは一緒に飲まない。体に合わないと感じたら使用をやめる。

肝臓や腎臓の件で病院に通われていたり、診断を受けている方は、お医者さんに確認してください。

糖尿病の薬を処方されている方は、お医者さんにシナモンを一定の期間飲んでも良いか確認してください。血糖値を下げる効果が重なると低血糖になる危険性を伴う時もあるからです。


  • 薬膳豆知識の情報や、料理などを紹介するのを目標。
  • 基礎疾患、持病などで、お医者さんに食事指導・食事の注意点を言われている方はお医者さんに相談してその指示に従ってください。
  • いろいろなやり方を載せていきますが、合わない人もいます。
  • 情報として効果・効能・薬効などを記載しますが、それらをお約束するものではありません。体質は一人ひとり違うので、結果も自ずと変わってきます。

Topへ