*ホラーではありません。でも切実。
お昼頃だっただろうか、「ピー」という機械音が居間に響いた。最初は空気清浄機かと思い、居間にある大きい空気清浄機を見た。ランプでエラーが点灯していないかをチェックしたが、至って正常。次に疑ったのは、テーブルの上のミニ空気清浄機と加湿器。でも、これに関してもエラーは出ていないし、フィルターも綺麗だった。キッチン近くのワインセラーも確認したが、正常。
私が首を傾げていると、エアコンと一台の空気清浄機の方から音が鳴った。「そこっ?!!」と猫さながらに反応したが、音は消えた。かなりの苛立ちを覚えつつ、何回か音が鳴ったのを確認して空気清浄機に的を絞った。
普段は気にも留めない音だが、結構な頻度で鳴ると気になってしょうがない。しかも、何かアラートのような嫌な通知音で不安を煽られる。一度気になると、意識から除外するのは難しい。
早速、説明書を広げてエラー解除やその他のリセット事項を試したものの、ピーと音が鳴る。困り果てて、カスタマーセンターに相談してみた。
試したことを一通り説明し状況確認をしたところ、私は自分の最大のミスに気がついた!
電源を切って、コンセントプラグを抜いたのに、音が鳴ったからだ。
「・・・コンセント抜いても、鳴るってことは無いですよね・・・汗」
カスタマーセンターのお姉様は、私が傷つかないように丁寧に他に原因があるであろうと説明してくれた。
ごめんなさい!!物すっごく、ごめんなさい!!!ちゃんと確認しないで電話相談しちゃってすみません!
心の中の声がダダ洩れ状態で、平に平に謝り電話を切った。
センターのお姉様の心優しさに感謝していると、あることに気がついた。あの音には規則性がある?咄嗟に携帯でピーと鳴る間隔を計測した。
5分間隔だ・・・
『居間で音が鳴る 5分間隔』と慌ててパソコンで検索する。出た結果は驚きのものだった。検索一覧の一部には・・・
- 火災報知機のエラー音
- 機械の電池切れの警報
- 配線が外れている警報
- フィルター関連の汚れ
などが載せられていた。これを見てピンと来たのは、機械の電池切れ。フィルターは全部掃除をしていたし、可能性を考えて一個一個つぶしていくのに、自分ができるのは電池を抜くことだけだったから。配線がおかしいのはプロにみてもらうしかない。
エアコンのリモコン電池を取り換えて、5分後・・・またもやピーと鳴る。
「どこだぁ~出てこいやっ!」
出てきたらこんなにイライラしなかったでしょうにと。もうそこからは単4電池片手に、鳴った付近の機器を調査。
見つけたのは、おでこでピッと測る体温計とパルスオキシメーター。まさかと思いつつ、電池を抜き取って5分の経過を待つと・・・
静寂だ~~~♡
やってきた静寂にとてつもない安堵感。それと同時に気づかなきゃ良かったのに気づいてしまった怒り!
コロナなんて大っ嫌いだ!!
そう、毎日家族の健康チェックのために使っていた体温計とパルスオキシメーター。機器が悪いんじゃない。それを使う羽目になった原因が悪いのだと気づいて、解決に至るまでの3時間以上をピー、ピーと、耳障りな音に精神をすり減らしたことへ怒りが沸騰した。
けれども悲しいかな、この怒りはどうしようもないし、冷静になってみると電池を変える事に気がつかなかった自分に非がある。しかも、誤解をしてカスタマーセンターへ相談までしている。
そこまで考えて、今日の自分を反省し、自分に応対してくれたカスタマーセンターのお姉様の対応力と気遣いの優しさに感服した。対応マニュアルがあるとはいえ、私を担当してくれた素敵な女性に感謝した。
あの対応があったからこそ、冷静に原因を探って解決することができた。
よもや電子機器の「電池残量がもう無いよ~」という断末魔の訴えのような通知音だったとは・・・訪れた静寂に、一瞬でストレス過多になっていた自身の心の弱さを思い知った。
平常心を保つことは難しい。でも、咄嗟の時に心の奥底に平らな心を常に持って対応できるよう、そんな人格者になりたいものだと思った。
