屋根が壊れてますよ!は要注意だった・・・

*SUZUは周りの助けで助かりましたが、他の方が詐欺に遭わないように書きました。

世の中、詐欺は多い。市区町村などの放送で、詐欺への注意喚起を促している。しかし、自分は引っかからないと聞き流していたり、自分のあずかり知らない所で起こっているものと考えやすい。

私も実際に体験するまでは、自分は引っかからないと思っていた。


ある天気の良い昼下がり、作業着姿の若い男性が「すみません」と網戸越しに話しかけてきた。愛猫とまどろんでいた私は不振に思ったが・・・

塗装中の物件から離れた場所で臭いがするとクレームが来たから、この辺りへ説明に回っている。

そんな説明をしてきた。窓を開けていてもそんな臭いは一切しない。フレンドリーに話しかけてくる彼から名刺をもらいつつ、大丈夫だと伝えると、

実は作業の休憩中に親方が、お宅の棟板金が浮いているのを見つけて心配していました。

そう言われた時には術中に嵌っていたのだろう。あれこれと屋根の傷み方の説明して不安を煽りに煽って、夕方に見に来ると言われて思わず頷いてしまったのが悔やまれる。

夕方にやってきたのは若い4人組だった。屋根に上った二人のうち、しばらくして一人の立っている場所から

ガシャーン!

と、何かが割れる音が響いた。慌てて駆け寄ろうとすると、親方というには不似合いなチャラ男のような喋りの男が遮るように話しかけてくる。

この時、騙された・・・瞬時に理解した。

後から、屋根の上から割れた瓦を見せられたが、怒りよりもこんな手法で詐欺まがいの契約を迫る彼らに、人を食い物にする人間はロクな人生を歩めないだろうと気持ちが凪いでいった。

さらに写真を見せて契約者は私ではないのかと聞いてくる彼らは、自分の行いが自分に返ってくる摂理を知らないのだと思った。

撮った写真を貰らい、後日ということでお引き取り願った。

実は私は造形に深い関心を持っているので、自身の家が建てられた時に材料などを調べていたりする。もちろん、その素材を切断した後の断面とかも見せて頂いていたので、何十年経ってもその記憶は鮮明だ。そして、明らかに白い断面の瓦が、割られたばかりだと物語っている。

そこからは、壊された屋根をどう直すか頭をフル回転させた。ネットで調べてみると、屋根の修復業者やいろいろな悪徳手口などが閲覧された。ネットで調べる事を失念していたことに項垂れる。

一応、何件か業者を調べたが、ふと、これも不味いのでは?と頭の中の警報が鳴る。

主人が帰って来てから相談し、ご近所の知り合いの社長さんに相談してみた。帰ってきた答えは、消費生活センターに相談してみることだった。

早速、翌日に電話をしてみると明快な答えを頂いた。

  • 決して、飛び込み業者と契約しないこと。
  • 最初の話が何であれ、屋根が壊れていると言われても、屋根に上らせない。破壊工作をする悪質な業者がいるので、決して屋根にも家にも上がらせてはいけないらしい。
  • そもそも、視野の悪くなる夕方に屋根に上る業者はおかしい。
  • ネット上の業者も良し悪しの区別がつかないのと、小さな業者の集まりで登録後や相見積後の勧誘など困った相談が多いらしい。

では、何処に相談すれば良いのか?

  • 地元の古くから店をかまえてやっている塗装業者さんで、評判が良いお店に頼んでください。

センターはお店を斡旋できないので、消費者である我々がしっかりと調べて依頼をすることが一番らしい。要は、店をかまえて創業して何十年という業者さんは、実績と信頼の上に成り立っているという観点からだった。

私は早速、電話をして後日訪問のお断りの電話を入れた。これで一つ目の心配事は解消。しかし、雨が降る前に屋根の修復が必要なわけで、途方に暮れて、数日が立ったある日、物凄い光景が目の前に飛び込んできた。

ご近所さんで足場を組み立てて、塗装工事を行っているではないか!!これぞ天啓か?!と思わず主人とご近所さんに相談してみた。

聞けば、契約前に物凄く調べて工事業者さんを知ったとのこと。

  • 地元の創業何十年という、業者さん
  • 役所に登録された、身元のしっかりした業者さん
  • 役所の塗装も手掛けていた
  • 話してみて、職人気質で人柄が良かったなどなど

ご近所さんの紹介で、お仕事中の職人さんに相談をしてみた。一通り話を聞いてくれた職人さんは、会長さんに即連絡をしてくれた。一時間もしないうちに、会長さんが見に来てくれて、事のあらましを聞いた瞬間、最近被害相談が多いのだと言った。

断った業者が撮った写真を見せたところ、木も平気そうだし棟板の総入れ替えなど必要なさそうで、壊されたところと、おかしな部分を直すだけなら数万で出来ると説明してくれた。そして、防水シートが建築時に屋根に敷いてあるから多少の雨には大丈夫なので、職人の手が空くまで待って欲しいと言われた。

説明を受けて、私は自分の不甲斐無さにがっくりした。同時に、痛手は被ったけれど、最小限で免れたのだとホッとした。

後日、会長さんは息子さんと見に来て屋根に上がり、息子さんが割られた瓦の修復をしてくれた。トレースで写し取り、粉々になった部分を同じような素材で破片を作り、大きな破片と張り合わせて塗装する。捲れ上がった棟板の部分は中の木の状態を確認しつつビスで固定して元に戻す。

それ以外にも、雨漏りしそうな外壁の部分に修繕を施すなどなど、私たちでは手の届かない部分の修繕までやってくれた。そこまでしてくださったのに、料金は最初に説明があった料金のままだったのだ。

しかも、施工前と施工後の写真を撮って見せてくれた時に気がついた。断った業者の写真と撮り方が違うのだ。

根本的な壊れた部分の写真の撮り方が、断った業者は、平面的に割れて崩れた感じの写真。修繕してくれた業者さんは、割れた瓦が不自然に持ち上げられてひしゃげた状態になっていると、下から撮影して分かるように見せてくれた。

棟板金も同様に、断った業者は持ち上がっているだけの状態を撮影。修繕してくれた業者さんの写真には、二つ目の釘から、到底風で持ち上がったとは思えないような金属のヨレが写ったもの。

夕方に来たのは手を加えた状態を写真で撮影しづらくするためだったのだと納得した。

地元の良心的な業者さんの場合悪徳業者と言われる業者の場合
地元に店をかまえていて、地域の評判も良い。
忙しくても、昼間に対応が基本。
飛び込みが多い。ファーストコンタクトは若者が多く、夕方に数人でやってくる。
説明も分かりやすく、不安を解消してくれる。不安を煽ってくる。
昼間に写真を撮る夕方に分かりづらい写真を撮る
施工前写真でいろんな角度から写真を撮って、家主にどのような被害状態かを説明してくれる。
写真を撮るが、壊れている場所が平面的に見えるように撮るため、家主が被害の全貌を知ることができない。
料金の話をしても、使える素材を使って家主の懐も考えてくれる。悪い所だけ修繕してくれる。(屋根の状態によりけり状況は変わるけど、安値のやり方も提示してくれる)料金について、世界情勢から物価高騰で材料費がかかる話をし、全取り換え的な話が前提。
消費者ファーストの対応自分たち目線の
業者ファースト対応

全てが終わり、工事後の費用を振り込んだ後、私たちは業者さんのお店に行った。迎えてくれた会長さんにお世話になったお礼とお酒を渡して、心からの感謝を伝えた。お互い、ウルっと目頭が熱くなって微笑んだ。


今回のことでパニックになりはしたものの、私たちは大事なことを学んだ。

心ある業者さんは、我々の困っている事を最後までしっかりと聞いてくれるし、素材の耐久性や屋根の状態を教えてくれるし、壊れた部分だけでもしっかり修繕してくれる。家と私たちと向き合い、話し合ってどう維持していくかを検討してくれる消費者ファーストなのだ。

しかも、消費生活センターの担当者が言うように、地元に古くから根付いてお店を開いているので、信用されることを重んじてくれる。『地元で評判の良い業者を探せ』と言われた意味を痛感した。

皆様には、焦らずに地元の素晴らしい業者さんと出会って欲しいと願う。

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