エイプリールフールだけど、冗談ではない話
ここ最近、私は脹脛の痛みに悩まされている。三月の上旬あたりからずっとだ。いや、運動音痴で出不精の私の生活行動範囲はとても小さく、不摂生をしているつもりも無いのだが、全てが極小単位で賄えてしまう環境にいるため運動とは縁遠い。
そのため、近くのスーパーに徒歩で買物に出向いた後には、筋肉痛になるなどの不調を訴えるぐらいの運動不足さだということを自負している。これで生きていけるのか・・・と思える虚弱さだ。
それでも、柑橘系の庭木が強風にあおられて折れないかと、無駄に枝を伸ばしすぎた部分を脚立に乗っかり、ノコギリで落とした後に細かく切って袋に詰める大仕事をすることはできた。その後、1週間ほど筋肉痛に苛まれたが。
そういった労力は厭わないのだが、如何せん、筋力が足りない。そして、集中すると時間を忘れて没頭してしまうこの性格は未だになおせていない。
今回は、木を切って小さく切った作業だったのに、身体の筋肉痛が治った後からずっと膝裏の痛みから始まった脹脛の痛みは続いている。軽い痛み止めが効いてくれない。
「冷えじゃないの?ザコシショウだったり?」
家では坐骨神経痛を某お笑いのタレントの名を借りて、そう呼んでいる。以前、やってしまった坐骨神経痛の尋常じゃない痛みを思い出したくないため、洒落を含めて親しみやすく呼んでいるのだ。主人がザコシショウが好きなこともあるが。
そう主人に指摘されて、ふと、考える。しかし、痛みは脹脛だと伝えると、冷えだよと主人の中では完結している。
痛み出して2週間が過ぎて、左足の痛みが両足になった。主人はエコノミー症候群じゃないか?と言ってくる。自分では、静脈瘤や動脈瘤などを疑って、毎日脹脛のチェックを欠かさなかったが、この痛みはそんなモノじゃない気がした。
3週間が経ったころ、座りっぱなしにならない様に、掃除を一階と二階に時間分けしながらやってみたり、寝転んで足を上にしてみたり、軽いストレッチをしてみたり、やれることはやってみた。食事も炭水化物や脂質よりタンパク質とビタミン、ミネラルを意識して摂っているし、亜鉛や鉄分、カルシウム、マグネシウムとB12などを意識しながら不足しないようにしていた。
それでも痛みは続く。痛み止めは神経系にも効くものを飲んだが、緩和されることは無かった。よもや、パーキンソン病や通風にかかってしまったのでは?と不安も煽られ、ガッツリ意味不明な痛みに、毎日の家事を邪魔される危機感を募らせて悶々としていたある日のこと。
ビキーン!脹脛からお尻の坐骨にかけて痛みが走った!
痛みと共に、まさか?お前か!!!お前なのか?!
痛みに耐えつつ、ふと脳裏にお医者様の言葉が蘇える。『膝裏が痛い?ならこれを飲んでおいてね。』
言われた薬は見覚えのあるモノ。すぐさま、検索欄に『薬の名前 効能』と打ち、表示された内容に崩れた。
「お前か!ザコシショウ!!」
そう、『腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎の治療』効能は他にもあるが、書かれた内容は心当たりがありすぎた。以前、坐骨神経痛の痛みを取ってくれた有難い薬だったからだ。
「くそっ!ふくらはぎに潜むとはっ!」
「大丈夫?ガタガタやる?」
遠巻きに見ていた主人が、マッサージ機の導入を提案してくれた。これも以前、坐骨神経痛で苦しんでいた私の痛みを軽減してくれたものだ。
工事中の地面を固めるようなガタガタと振動を送って筋肉をほぐす道具なのだが、その角を坐骨に押し当てていくと、うそのように痛みが少なくなって筋肉がほぐれる。
言われた薬を飲んで、痛みに耐えながら主人にマッサージ機をあててもらいながら反省した。
ザコシショウを疑わなかった自身の先入観。そして、お医者さんが言ってくれた事をきちんと理解していなかった自分の思い込みを物凄く反省した。
