猫の言い分に勝るものはない

人間の都合より彼らの主張、そこにはそこはかとなく展開される流儀があるようだ。

 猫は気ままな生き物だと言われているが、そんな彼らにも何かしらの流儀があるようだ。我が家の愛猫も、何某かのこだわりがあるらしい。

 私がこのブログを書いていると、社長椅子と呼んでいる椅子に鎮座して此方を見ている。彼女の主張が始まるのは夕暮れの時間だ。

 彼女を我が家の一員に迎えるにあたって、一大プロジェクトが決行された。それは、和室を洋室に改造して1階全体を猫の遊び場にするためだった。

 改造プロジェクトに関しては後日書こうと思うが、初めての猫を迎えるにあたって多くの知り合いや獣医さんにいろいろとアドバイスを頂いた。その結果、猫は横運動だけではなく、縦の運動も必要だと教えてもらった。ゆえに、居間に続いている使っていない和室を改造して洋間にした後で、猫の為の縦運動場を作る算段に至った。

 窓は和式のままだが障子分の幅があり、猫が日がな一日過ごしても寝る幅が十分あるため、格好のニャルソック場所になっている。もう一つの大きい窓には雪見障子があるため、冬の日向ぼっこには打って付けの場所だ。

 そして、今回の『猫の言い分(主張)』と称される理由がこの窓にある。和室の電気は蛍光灯のため、夕方になると虫が寄って来てしまうのだ。真冬の時期ならいざ知らず、春の今の時期は私の苦手な羽のついた蛾やら小さな虫が飛んでくる。そのため、西日が少し落ち着いてきた時間になると、雨戸を閉めてしまうのだ。

にゃんで閉めるニャ!

 まだ明るいうちに閉めると、居間から和室までを縦横無尽に走って来た彼女がニャ~と窓の前で一鳴きする。ブログを書きながら『ごめんね』と謝ると、じっと見つめてから窓枠の部分に飛び乗って見えない筈の外を見つめる。

「・・・・・雨戸閉めているから見えないって言いたいのか。」

 雨戸の閉まったガラスを見つめ続ける彼女の主張。意地らしい彼女の主張に根負けして、雨戸を少しだけ開けて、外が見えるようにする。

「にゃぁ~ぁ~」

明るいうちから閉めないでニャ!

 まるで抗議するかのように主張する彼女は、満足したかのようにそこに座り込んで外を見ている。今日も根負けしてしまった。

 この攻防に終わりは来ないだろう。温かくなって日が長くなったのだから、ここは知恵を振り絞って人間が折れるしかない。虫が寄ってこないように、彼女の気持ちを優先させるためにも、遮光カーテンの設置をしようと思う。

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