シーソーゲームじゃないのよ。トホホな技術でやるフローリング材を張る作業の大変さ。

下張り用床板を張り終えたが、本番はここからだ。表になる床板を組み合わせて置くのだが、フローリングの床材は側面全てに凹凸加工があり、それをはめ込んでいくと床が繋がっていくようになる。
但し、その凹凸加工はジョイントさせる部分だけ必要なので、部屋の隅になる部分は平らに切りそろえなければならない。
その上、1818mmの長さでは足りないので、継ぎ足しも必要になる。この継ぎ足した部分は片面にだけ揃えると、部屋が不格好に見えるので、右に付け足したら今度は左に付け足す。それを終わりの段階まで交互にはめ込んでいく。
この作業になって職人さんの偉大さが身に染みた。凄いのですよ。ここまでも大変だったけれど、図面をひいている時でも頭がごっちゃになりそうな状態だったのが、この凹凸をはめ込んでいく作業で心の声がダダ洩れになった。
フローリングの始まりは入口から室内奥へと張ると決めた私だが、それには理由があった。本来の施工手順はあるのだろうが、猫様仕様のためにくい打ちを150mm感覚で床に反りが出ないように細かく釘止めをするためだ。そのため、根太に沿ってフローリングを施工した。
全ては猫の爪をひっかけないようにするためだし、元の和室はプロがしっかりやってくれているから安心して出来る。
初めにボンドを塗り伸ばし、その上に最初の2枚をはめ込んで様子を見る。その後、雄実の角の部分に、釘を斜め45度に打ち込んで板が動かないようにしていくのだが、次のフローリング材を繋げた時に、釘の頭が邪魔しないように『釘締め』という工具で45度に刺さった釘の頭を押し込んでいく。やり直しがきかない、直見栄えに反映する作業なのだ。


2列目で問題が発生。長い板をはめ込んで短い板をはめると、長い方が出てくる。長い方を入れ込むと短い方が出てくるではないか!
絶妙で奇妙な木の動きに、ドリフのタンスコントを思い出したが、今は笑えない。コントをしている訳ではないのだから!
このシーソーゲームは何故に?!
マジか?!と頭を抱え込んで、ふとある事を思い出した。以前、何かの番組で大工さんが職人技を披露していた時に、長い当て木を実(さね)と呼ばれるフローリングの側面にあてがって金槌で打ち入れているのを!
見よう見まねで、当て木を実に当てて、金槌で入れたい方向へ叩くと、入っていくではないか!流石、職人さんのやっていた方法である。
ここから私の作業は、① 実を叩いて入れる。② 150mm感覚で釘打ち。③ 釘の頭を『釘締め』で入れる。この3つの作業を永遠と繰り返していった。
このフローリングを張る作業は朝から晩までやっても3日かかり、終わるころにはテニス肘のような痛みを腕に抱えていた。


最後の一枚は釘打ちができないため、フローリング用のボンドを塗りのばしていく。
ここまでくると、あと少しだという気持ちが大きく、身体の痛みも忘れて作業に没頭した。おそらく、腱鞘炎と腰痛に腕と肩の痛みなどなど、痛みのオンパレードだったと思う。
そして、とうとう床を張り終えた。全体に掃除機をかけて玄関に移動していたマッサージチェアを最奥に移動する。
一応、ビー玉を置いてみたが、転がることは無かったので施工は成功したのだ。感慨深い。
この5日間、金槌を打ちまくっていた私だったが、ここまでしっかりと軋みもしない床を作れたことに感動した。しかし、この期間で私は寒さと無理な体制で作業を続けたため、坐骨神経痛になってしまった。ぎっくり腰でないことにホッとしつつ、出来立てほやほやの洋室に愛猫を招き入れた。
キョロキョロと辺りを見て、最初の一歩を踏み出してくれた。主人も私も感無量である。しかしながら、まだまだ大改造は続くのだった。

忘れてはいけない!私たちの目的は猫の縦運動の場を作ることなのだから!
