サニーとは私たちの愛車だ。私のもとに来た経緯も、引き起こすお笑いのような出来事も、きっとサニーの性格なのだと思う。現に私たちの人生は笑えるほどおもしろくなったから!
先日、いつも見ている番組の『夜会』でチョコプラの松尾さんが車を披露されているのを見てふと思考が停止した。私たちが大好きな芸人さんはほぼ同じで、バナナマンさん・チョコレートプラネットさ・サンドイッチマンさん・ザコシショウさん・サンシャイン池崎さんで、MCとしては、マツコ・デラックスさん・有吉さんだ。この方々が出ている番組の視聴する率は高い。
そのチョコプラの松尾さんが出ていたのに少し回想していた。それほど、強烈な出会いの車。私たちが初めて日産のsunny車の所有者になった時のことを。
20年以上前のことだ。小さい時からいろいろな夢を見る私は、夢に意味があるのではないかと夢占いに凝っていた。結婚後もおかしな夢を見ることはあったが、よほどおかしな内容でない限り調べることもしなくなっていた。
ある日、友達とコミュニティに参加していた私は、お茶の時間にその日の夢を調べてみた。あまりの驚きの内容に声を上げ、周囲が「どうしたの?」と聞いて来たので話してみたのだ。
夢の内容は、大きなビルほどある巨大なゴキブリが出てきて、私を見つけるとプチ!と踏みつけたのだ。天に召されてしまった。と。
そしてその夢の内容を夢占いで調べたら、人生に変化をもたらすプレゼントをされる。もしくは幸運がやってくる。しかもゴ〇ブリの大きさによってプレゼントも幸運の内容も大きくなると書いてあったのだ。(現在ではコンプレックスやストレスといった意味合いが大きくなってるようです。)
「ゴキって夢では幸運やプレゼントなんだね。以外だ。」
巨大ゴキに潰されて天に召された私のおかしな夢話で、みんなが笑っていたのだが。1人感慨深い表情を浮かべたご婦人が『なら、貴女に主人が乗っていた日産のsunnyをあげるわ。使ってやってくれるかしら?』と言ってきたので、その場は騒然となった。
驚き固まる私に、コミュニティの先生が『良かったじゃないか!もらっといた方がいい!』と笑っている。狐につままれたような出来事だったが、その後、ご婦人の好意でタイヤ取り替えと走行点検など全てを業者を挟んで用意してもらい、私はサニーの持ち主となった。
私たちは、そのご婦人の好意に報いるべく大切にサニーを使わせてもらおうと心に決めた。
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サニーが私たちの車になってから、初めての旅行で事件は起きた!高速を走行中に雨が降って来たので、主人がウォッシャー液を出した時だ。アメーバーのような物体がフロントガラスにへばり付き、高速走行中のために風圧で端に押しやられていくではないか!
「なんじゃこりゃ??どこから飛んできたんだ?」
何といったらよいのか、長年使われていなかった車は走行点検は受けたものの気づかれずに、高速に乗る前のガソリンスタンドでの点検でも、ウォッシャー液が腐っているなどとは知らずに追加されていたとは。
😱😱😱😱😱
不幸だったのは後続車である。私たちがウォッシャー液の異変に気がつくまでの間、ウォッシャー液を数回出してしまった為に悲劇がおこってしまったのだ。フロントガラスを移動したアメーバー達は風圧に押されて後ろへ飛んでいく。
雨の日だと言うのに、車間をぴったりくっつけて走っている後続車のフロントに命中してしまったのだ。数回分の腐ったアメーバー達が煽っている車(その時まで気がつかなかった)に命中し、相手も未確認生命体のようなアメーバーもどきに驚いたのだろう。車間を少し開けると、追い越し車線へと移動して先に行ってくれた。
横を通り過ぎた時に、高級そうな車に張り付いたアメーバーを見て心底申し訳ない気持ちになった。そして、事故がなくて良かったと胸を撫でおろした。すぐさま、パーキングエリアのガソリンに入り、腐ったウォッシャー液が出終わるまで出してもらった。
フロントガラスとワイパーに溜まったアメーバーもどきを、ホースを借りて水圧で押し流していると、最近煽り運転が横行しているという。ガソリンスタンドの店員はこの車に腐ったウォッシャー液が残っていたからこそ、気が逸れてくれたのだろうと納得していた。
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サニーに乗って2年経ったある夜、友達から「残業で遅くなって終バスに間に合わない」とSOSの電話が入った。金曜日という事もあって、私たち夫婦は快諾して彼女を迎えに行った。彼女の家にへは高速を使うのだが、ガソリンメーターがemptyの1つ前の表示になっている。高速前でガソリンスタンドに寄った方が良いかと聞くと、主人と友達は「emptyになっても10kmは走るから大丈夫だよ。」と返すのでそのまま向かうことにした。しかし、事件はここでも起きた。
😱😱😱😱😱
高速走行中、周りの大型トラックが物凄いスピードで追い抜いていく。制限速度で走行していた私は心が折れかけていた。次のパーキングで主人に交代してもらおうと考えていた時、急にアクセルの抵抗が無くなって、カスッカスッと踏んでも何も出来ない状態になった。
驚いたのは、主人も友達もだ。慌てて路肩に止めたが、パニックで「JAL呼ぼう!!」と叫んだのだが。二人から「それは飛行機!車はJAF!」などと、ツッコミが入る。連絡をして程なくすると、JAFの方が来てくれた。状況を見てガソリンメーターが壊れていると指摘され、ガソリンスタンドまで走行できる分のガソリンを入れてくれた。
「ガソリンメーターが故障していては気がつきにくいですね。ジャンクション入る前の広い路肩で停車できて良かったですよ。これからは気を付けてください。」
なんと優しい方だろうと感動していると、ガソリンメーターの不備が『旅行中や普段使いの時に出なくて良かった』と主人が言い出した。友達も仕事の不満を解消できるほど笑えたと、テンションが上がっている。
「JAFの人に、良かったJAL来て!って言ったでしょ?笑い堪えてたよ。」
お腹を抱えて笑っているが、彼女はとても優しい。JAFが来るまでの間、青ざめてトラックが通り過ぎる度にビクビクしていた私をずっと揶揄ったり気遣ったり、ツッコミを入れたりして緊張を解してくれていたのだ。後々、私が笑い話に出来るように。
物事を不幸と捉えるか。笑える糧にできるか。はたまた、人生の楽しいハプニング集として幸せの1ページにできるか。それは自分が、起きた出来事とどのように向き合うかなのだなと勉強になった1日だった。
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ガソリンメーターの故障に始まり、エアコンが壊れても、私たちと親友たちはハプニングを楽しいひと時と言って笑って過ごしてくれた。エアコンが壊れた時に、コミュニティのおじ様が一言。
「真夏の暑い日に、窓閉め切って涼しい顔して運転できるか選手権。もれなくサウナオプション付き。」
マジか!と、ドッと笑いが起こった。駐車場で実際やってみたら、数秒でギブアップ。良い経験になったと、窓全開で安全運転をしていた私たち。
そんな楽しい時間をくれていたサニーに悲劇が起こった。
😱😱😱😱😱
数年ぶりに、東京に大雪が降った。朝からずっと降っていた雪が、小降りになったので夕方に親戚の見舞いに行った。大きな幹線道路を通って、車の往来がある場所を選んで向かった。その方が、雪が積もっていないからだ。チェーンはつけていたが安全第一だ。
病院の駐車場に止めて見舞いをした後、ドアを閉めた時に悲劇は起こった。
カシャン・・・😱
偶然にも運転席と助手席の2つのドアから、カシャン!と音がした。何かを落としたのかと、2人でドアを開けようとしたのだが、ドアが開かないではないか。その間も、どんどん降り積もる雪はフロントガラスに降り積もって視界を遮ってゆく。
「病院前で遭難・・・マジか?!」
春になったら、発見されるのだろうか?などと、起こりもしないことを考えて笑いが込み上げてくる。東京の積雪は数日我慢するだけで元通りだ。しかし、今の現状は脱出ゲームのような感じだと思えて、可笑しく感じてしまう。
「どうやったら、ドアを直せるの?」
「ちょっと病院で聞いてくるよ。」
病院じゃなくてJAFかガソリンスタンドじゃないのか?とは思ったが、敢えて口にしなかった。主人は、クルクルと窓を開けるハンドルを回し始め、窓から靴を出して箱乗りになると、器用に体を出して出ていった。すぐさま、窓を閉める。フロントに大分雪が積もった頃、主人はマイナスドライバーとL字定規を借りて戻って来た。即、窓を開けて出迎える。
「寒さのためか、旧式のドアロックだったから、引っかけている爪のような物が外れたっぽい。取れたやつを、もう一回引っかければ良いんだって。」
どうやら、病院の管理人室で聞き込んで、ネットで調べてもらった結果のようだった。そう言いながら、窓ガラスが収納されている隙間にドライバーを入れようとするが入らない。続いて大きなL字定規を入れて中を探る。
カシャ・・・
金属音がして、主人の持つL字定規に何かが引っかかった。それを上に持ち上げると、カタと小さな音がしてロックが復活してドアが開くようになった。主人もこんな簡単な装置なのかと驚くが、助手席の方も出られないので、同じような手順で直す。
この頃、パワーウィンドウに切り替わってしばらく経っていたので、旧式のドアの知識がネットで公開されていて良かったと思った。この事件を境に、譲って頂いたご婦人から「そろそろ新車に乗った方が安全よ」という言葉もあって、新車を買うことにしたのだった。
しかも、新車を探している時に、サニーをカネヨンで洗車をしてしまった主人。その30分後、雹が降りそそいだ。その後、普通の洗車の度にサニーの逆襲なのか、雨が降るようになった。それは、次の車にも引き継がれ、20年間ずっと洗車=雨or雪が降ることとなった。
思えば、沢山の楽しい思い出とハプニングを運んでくれた日産sunny車。乗りやすい一般ファミリーカーをギリギリの廃車寸前まで乗ることができたことに感謝している。
今は亡き美しい友達との思い出を、笑顔で語れるのはこのサニーのお陰だと思う。
貴女との時間は忘れがたく、たくさんの楽しく素晴らしい知識をくれた。
今でも昨日のことのように思い出す。
貴女が出逢わせてくれた人は、医食同源の食のエキスパートで師となってくれた人。
食育を通して体を整え、心を整え、精神を整えていく
物事に真っすぐ素直に向き合う心をくれた。
今でもイタリアンを作る時パスタをこねる時、貴女を思い出します。
あなたは大切な私の恩人であり、素敵で優しくてきれいなお姉さんだった。
ありがとう。この言葉を心から贈りたい。
