お気に入りの瞬間を教えてください。
昔から造形の趣味はあったので、ものが完成した瞬間の達成感が好きです。自己肯定を最大限自信として持てるから。
他者から褒められたり、高評価を貰うことも良いですが承認欲求のような拘りになると、自分の感覚を狭めてしまいそうなのと、認めてもらえなかったらとか不安や恐怖といった感覚も幅 を狭めてしまいそうなので。
もちろん、そこに金銭が発生しているような契約なら、完成だけとは言わず作業工程までもが『責任と確認』という両者への縛りで、どう良いのか・どう悪いのか・依頼者と製作者とで協力して意見を交換し依頼者の頭にある内容をさらけ出して、反応を見ながら作らねば完成することは不可能。もしくは中途半端になってしまいます。『職業上の欲求』と言い換えれば良いでしょうか。通常の『我』とは違った、作るために相手の反応を確認する欲求なんかも、プログラムの業界ではあるらしく、それが出来ないと暗中模索で鬱になる人もいるらしいですが。
私も軽い状態でそれになりかかったことがありますが、今自分に出来る事は?と自問自答して、その時点でやれること。相手がこうして欲しいのではないのか?と考えられる内容のプログラムを作って終了させました。
その時学んだのは、
自分が作った作品や食事やプログラムなど、どんな形の出来上がりでも『完成』『達成』『収めた』とその作業の終わりが来た時に迎える自分の心の喜びを大切にすること。
努力の積み重ねや苦労や全ての出来事が『完成』と共に報われた感覚に包まれて、達成感が今の自分を認めて次なる自信に繋げてくれる。
もし、そこに相手の共感が無かったとしても、誰かがそのプログラムを足掛かりに次のしっかりした作品を作れるならば、本望というものです。
人との出会いは、一期一会。他者との化学反応で何かを作る時であっても、築き上げた自分の技術や経験や思い、相手から学んだこと気づいたこと、全てが自分という心の糧になって人格を作っていく。とても有難く大切なことなんです。
だから、一つ一つをお気に入りの瞬間になるように、自分の内面の達成感に目を向けます。
