
子供の頃、近場の山椒の木や柑橘系の木にアゲハ蝶が卵を産み、あのカラフルなアゲハ蝶の幼虫が居たのを思い出す。
他の幼虫とは違って、アゲハ蝶の幼虫は見分けやすい特徴があるので、私は蚕と同じくらい好きだった。
結婚して住み始めた家にレモンの木を植えたが、アゲハ蝶の幼虫だけは害虫とは思えず、そのままにしていたら、いつの間にかスズメバチに捕食されていた。
ディスカバリーチャンネルのような出来事がこのレモンの木の周辺で起こっている。
スズメバチは巣からかなり離れたところまで見回るので、スズメバチを追い払えない私たちは大きな水槽にレモンの木を2枝ほど壺に刺して入れて置き、保護したアゲハ蝶の幼虫を入れて育てることにした。
毎年、見つけた幼虫を保護しては、羽化すると窓を開け放って自然に返している。
今年はレモンの木が葉を多くつけて、アゲハ蝶の幼虫を見かけることが無く、暑さのせいなのか残暑になった今になって、アゲハ蝶が卵を産みに来るようになった。
今回見つけたアゲハ蝶は、羽化して羽を少しずつ広げて羽を広げたり閉じたりしながら馴染ませていた。
こんな場所に蛹になっていたとは、偶然、羽化を見かけるまで気づかないような場所。当然、木からも離れていて、どうやって、この場所を選んだかも分からない。ちゃんと、羽を伸ばしきるまで、捕食者や風から身を守れる最適な場所な気がした。
天然の羽化は初めて見たので、自然で生きる昆虫の力強さに触れた瞬間でした。

余談
家の和室の真ん中にある机の上に置いていた保護ケースから脱走して、一晩で部屋の鴨居で蛹化したアゲハ蝶の幼虫。
どんだけ根性あるんだ!と驚いたこともありました。
このまま羽化させて、飛び始めてから窓を開けて外に出てもらいました。
あの小さな体で、どうやってこんな所まで行ったのか謎でしたが、移動してから蛹化するだけのエネルギーを秘めているのだと納得。
