文化遺産に対し、私自身が誇りを感じてはいないが興味はある。姫路城、法隆寺や奈良の鹿など、東大寺・春日大社・薬師寺なども旅行で訪れたが、趣とその土地の文化や歴史が素晴らしかった。
もし、『誇りを感じる』とすれば、その土地に住んでいる方々との交流で感じる感覚だと思う。
例えば、富士山の近くに泊まって宿屋の方と話すと。
富士山の東南東側、山中湖から見える富士山は『男富士』と言われ、富士山を象る峰(稜線)の両方に噴火口がいかり肩のように出っ張っているので、雄々しく雄大さを地元の誇りだと語ってくれる。
これが、富士山の北側、河口湖から見える富士山だと『女富士』と言われ、富士山を象る峰(稜線)がなだらかでなで肩なので、美しさと優しさを誇りに思う地元の方が多く、こちらも綺麗な富士山を誇りだと語ってくれる。
文化遺産のある場所を旅行した先で、地元の方の話を聞いてみると、そこには文化遺産を愛する地元の方の『誇り』を体感できる。
それこそが文化であり、歴史なのだと思う。
ちなみに余談だが、奈良では鹿も『誇り』を持って接客してくれている。
私たち夫婦が、奈良公園で鹿煎餅を購入した後、購買のおじさんに「走った方が良いよ。」と言われて煎餅を渡された。
振り向くと、鹿・鹿・鹿・・・
鹿に取り囲まれてしまった私。どんくさい私を置いて、主人はさっさと1枚、また1枚と鹿たちに鹿煎餅を渡している。
未だに鹿煎餅の封切りを外せない私に、お辞儀をしてくる鹿たち。
「嬢ちゃん、早く渡さないと鹿のプライド傷つけるぞ。」
うぎゃ!!
鹿が頭でド突いてきた。6頭の鹿にド突かれながら、ようやく鹿煎餅の帯を取り、一枚を鹿に渡せた。
微妙な間が、鹿と私の間に生まれたが、大きな鹿がお辞儀をして寄ってくる。
「・・・仕切り直しってこと?はい、煎餅・・・」
1頭ずつお辞儀してくるので渡していくと、貰った鹿は離れていく。
全てを渡し終えた私に、主人はお腹を抱ええて爆笑している。後ろの方で売店のおじさんも苦笑いしている。
鹿にとって、お辞儀=お煎餅を貰える という図式らしい。
もみくちゃにされたが、『チップ』は早く渡さないとこうなると学んだ私だった。
