剥離骨折にトドメの一撃1

20年以上前の話、私の剥離骨折を完全な剥離状態にした事件があった。今となっては笑い話なのだが、友達の助けもあって、散歩はとても助かった。

主人は昔から蛍光灯の光を眩しがるので、ダウンライトや間接照明にしていた。

中でも、岩塩ランプは、とても温かみのある綺麗な光を放つので、リビングや廊下に置いていたのだ。

ある日、掃除機をかけていた時に、コードを切り替えようと急いで足を向けた先にランプがあった。強く蹴とばしてしまった瞬間に激痛が足先に走る。

「ぬぉぉぉ!!」

あまりの痛さに、足を押さえて蹲った私。足先をぶつけた痛みはかなり辛いものがある。そこへ叫び声を聞きつけて、愛犬がやって来た。

大丈夫?と覗き込む彼女は、グイグイと近寄る。

「いぎゃっ・・・痛いっ!痛いって!!」

1回目の悲鳴よりも、的確に激痛がダイレクトに伝る。

痛がれば痛がるほど、痛みが増す。

拷問か!

いや、コントだろ?というセルフツッコミは割愛だ。

なぜなら、心配した愛犬が私にベッタリ寄り添い、その愛犬の前足が、あろうことか私の負傷した指先を踏んでいたから。約16Kgの重しが乗せられた状態なのだ。

先ずは愛犬を退かすために、「大丈夫だよ~ありがとうね。」と言い聞かせてから退かせないといけない。犬は博愛主義なのだ。特にウチの愛犬は、そういった感情に敏感なので、傷つけない様に撫でてから手を退かす。

その日の夜、帰宅した主人に大笑いされたが、時間が経つごとに痛みと腫れと色が凄くなり、骨折ではないかと次の日に病院に行くことにした。

・・・・・

病名:人差し指第一関節付近のヒビと剥離骨折。

「これ分かります?1個だけ大きく他所に離れている。剥離しちゃってますね。ぶつけた後、揉んだんですか?」

「いや、その・・・」

レントゲン写真を前にお医者さんが不思議そうに、歩いてぶつけただけなのにこんな状況になるかと、首を傾げているので、私は仕方なく愛犬との経緯を話した。

途端に沸き起こる笑いの渦。

『ごめんなさい』と言いつつ、お医者さんも看護師さんも涙目になっている。カルテに『愛犬に踏まれた。』と追加されてしまった。そしてお医者さんの力説が始まった。

「僕の推察では、最初のぶつけた時点で、ヒビと少し剥離があって、間髪入れずに心配した愛犬が寄り添った時に前足で踏んで、痛がる度に君を舐めようと前足に重心をかけたから、こんなに剥離が広がった。よって、君の剥離骨折にトドメを刺したのは愛犬の前足だね。」

「・・・可愛い顔して、恐ろしい娘!」

探偵風にお医者さんが言うから、冗談で言ってみたら、大笑いを誘発してしまった。怪我人の前で医者と看護師が腹を抱えて笑うカオスな状態。

処置を受けて、剥離骨折が治るまで通院となったが、このお医者さんたち、私が行くと笑いネタを要求してくるようになってしまった。

毎回、笑いネタ提供で笑いが巻き起こるので、処置室から出ずらい・・・。

そんな、ちょっと変な日常があったお話。

2件のコメント 追加

  1. edogawazoi3po のアバター マタゾー より:

    suzuさん、ワンちゃんに優しい。
    お医者さん達笑いすぎ🤣 オモロ

    いいね: 1人

    1. suzu のアバター suzu より:

      マタゾーさん、コメントありがとうございます😊
      ナイーブな子だったので、
      気付いてしまうと、
      絶食するぐらい傷ついてしまうんです。😅
      なので、必死で元気アピールしました🤣
      お医者さんは毎回変な笑い話をリクエストしてきたので、変な人認定されてたと思います🤣

      いいね: 1人

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